iPhoneのクイックスタートを使っていると、「手動で設定」のオプションが表示されずに戸惑った経験はありませんか?
このオプションが出てこない原因には、BluetoothやWi‑Fiの状態、iOSバージョン、初期化状況などさまざまな要因があります。
特に機種変更や中古端末を使う場面では、ちょっとした設定の違いで表示されないことも。
この記事では、「手動で設定」が出てこないときの原因とその対処法をわかりやすく解説していきます。
クイックスタートと「手動で設定」はどう違う?
iPhoneのクイックスタートでは、新旧端末を近づけて自動的に設定を引き継ぐことができます。
この流れの中で「手動で設定」というオプションが出ることで、従来通りの手順を使ってセットアップも可能です。
ただし、このオプションは常に表示されるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。
ここではクイックスタートの仕組みと、手動設定が出る条件について解説します。
クイックスタートは自動移行、手動設定は自分で操作
クイックスタートは、旧端末から新端末への設定やデータ移行を自動で行う機能です。
一方、「手動で設定」は、Wi-FiやApple IDなどを一つずつ自分で設定する従来のスタイルを選ぶためのオプションです。
状況によっては、クイックスタートが開始してもこの手動オプションが出てこないことがあります。
表示タイミング:「こんにちは」画面でBluetooth接続後に出現
「手動で設定」が表示されるのは、新端末が初期状態で「こんにちは」画面にあるときです。
その状態で旧端末の近くに置き、Bluetoothがオンになっていれば自動でクイックスタートが起動します。
ここで適切に検出が行われれば、「手動で設定」オプションが出現する仕組みです。
出ないなら条件未達の可能性が高い
「手動で設定」が出てこない場合、BluetoothやWi-Fiがオフになっている、端末が近くにない、新端末が初期化されていないなどの原因が考えられます。
次章からは、具体的なチェックポイントを見ていきます。
「手動で設定」が表示されないときに真っ先に確認すべき項目
「手動で設定」が出ない場合、まず基本の通信設定やデバイスの状態を確認することが重要です。
ここでは、トラブルの多くが解決する初歩的なチェックポイントを紹介します。
新旧端末でBluetoothとWi-Fiがオンになっているか
クイックスタートはBluetoothとWi-Fiを使って通信する仕組みです。
両方の端末でBluetoothとWi-Fiがオンになっていなければ、ペアリングが成立せず手動設定も出現しません。
「設定」アプリからそれぞれの機能がオンになっているかを確認しましょう。
端末同士の距離は5〜10cm以内か
iPhone同士の通信は近距離で行われるため、端末同士が離れていると検出されません。
クイックスタートを始める際は、2台のiPhoneを横に並べるようにしておくのが確実です。
可能であれば机の上に置き、安定した状態で操作するのが理想です。
対応iOSバージョンであるか確認(iOS12.4以降)
クイックスタートと手動設定は、iOS12.4以降のバージョンでないと利用できません。
古いiPhoneを使用している場合、ソフトウェアのバージョンが対応しているか確認しましょう。
「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」で最新版にアップデートするのがおすすめです。
iOS・Apple ID・初期化状態のチェック
通信設定を確認しても手動で設定が出ない場合、iOSのバージョンやApple IDのログイン状態、そして新端末の初期化状況に問題がある可能性があります。
ここでは、ソフトウェアや端末の状態について見直すべきポイントを紹介します。
両方のiPhoneで最新のiOSがインストールされているか
クイックスタート機能はiOSのバージョンによって対応範囲が異なります。
特に旧端末が古いiOSのままだと、新端末との通信に不具合が出ることがあります。
新旧ともに最新版へアップデートしておきましょう。
移行元のiPhoneでApple IDにサインイン済みか
クイックスタートを利用するには、旧端末側がApple IDでサインイン済みである必要があります。
サインアウト状態だとデータ移行の処理が行えず、「手動で設定」も出てこない場合があります。
「設定」→自分の名前をタップして、Apple IDが表示されているかを確認しましょう。
新しいiPhoneが初期化済みで「こんにちは」画面にあるか
新しいiPhoneがセットアップ済みの状態だと、クイックスタートや手動設定は起動しません。
「こんにちは」と表示されている初期状態でなければ、端末を一度初期化してやり直す必要があります。
「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」で初期化可能です。
Bluetooth・Wi‑Fi・端末距離・プロファイルの影響
設定やソフトウェアが整っていても、周囲の環境や端末の構成によって「手動で設定」が表示されないことがあります。
この章では、ネットワークや管理プロファイルなどに関する注意点を解説します。
通信環境が安定しているか確認
Wi‑Fiが不安定だったり、Bluetoothの接続が不安定な場合、クイックスタートは正常に起動しません。
ルーターとの距離や周囲の電波干渉を避け、できるだけ安定したネットワーク環境で操作を行いましょう。
Bluetoothも一度オフ→オンにすることでリフレッシュされることがあります。
周囲のiOS端末やBluetooth機器が干渉していないか
複数のiPhoneやiPadが周囲にあると、Bluetoothの接続先がうまく定まらず誤検出されることがあります。
特に職場や家族のiOS機器が周囲にある場合は、それらのBluetoothを一時的にオフにするのがおすすめです。
操作中は1対1の通信に集中させることが成功率を高めます。
旧iPhoneに管理プロファイルがある場合も要注意
企業支給端末や学校配布のiPhoneには、MDM(モバイルデバイス管理)プロファイルが入っていることがあります。
これが原因でクイックスタートや手動設定が制限されている可能性も。
設定→一般→VPNとデバイス管理からプロファイルがあるかを確認し、必要に応じて管理者に問い合わせましょう。
手動設定オプションが出ない時の対処まとめ
クイックスタートで「手動で設定」が出てこない場合でも、落ち着いて一つずつチェックしていけば多くは解決可能です。
まずは新旧iPhoneのBluetooth・Wi-Fi・iOSバージョン・Apple IDなど基本設定を確認しましょう。
また、移行先が初期化済みで「こんにちは」画面にあるかも非常に重要なポイントです。
通信環境や周囲の機器、プロファイルによる干渉も見逃せない要因になります。
それでも解決しない場合は、端末を初期化してから再度試すのが最も確実な方法です。